一般社団法人町田青年会議所 2015年度 理事長所信

伊藤 剛

【はじめに】
「新日本の再建は我々青年の仕事である」戦後間もない1949年、明るい豊かな社会の実現を理想とし、責任感と情熱をもった青年有志による東京青年商工会議所(商工会議所法制定にともない青年会議所と改名)設立から、日本の青年会議所運動は始まりました。

1967年この町田の地に38名の志高い青年が“英知と勇気と情熱”を結集し町田青年会議所が設立されました。町田市は東京都の南に位置することから認証番号373番を受け取り「明るい豊かな社会」の創造に向け現在まで受け継がれてきました。

町田青年会議所は今日に至るまで様々な社会開発運動を展開し、町田市のみならず社会を変革する運動を発信してまいりました。この先輩諸兄が築いてこられた歴史や伝統そしてその志は、変わることなく受け継いでいき、そして歴史と伝統を重んじつつ、時代に沿った変革と共に運動を行うことが、希望あふれる次世代の創造につながると考えます。

現在の社会においてエネルギー問題、領土領海問題、近隣諸国との様々な問題、避けては通れない高齢社会問題、教育問題、更には甚大な被害を及ぼす天災等、青年会議所創世期には存在しなかった問題が数多く発生しております。今の時代に求められているものを、今生きる我々青年が真剣に考え、議論し青年会議所だからこそ出来る運動として発信していくことで、時代に必要とされる組織であり続けなければなりません。

様々な問題が山積しているいつの時代でも、未知の可能性という未来を強く信じ弛みなく挑戦し続けていくことが、明るい豊かな社会への一歩となります。

幕末の志士、吉田松陰は「夢なきものに理想なし、理想なきものに計画なし、計画なきものに実行なし、実行なき者に成功なし、故に夢なきものに成功なし」という言葉を残しています。青年会議所運動は地域の未来の夢を語る場であると考えます。これまでも時代とともに変わってきたように、青年会議所運動は時代とともに変わります。しかし、普遍的なものは青年の未来に対する理想そして夢ではないでしょうか。理想を持ち、夢に向かい挑戦し続けることこそが我々青年に与えられた特権であると考えます。

【郷土愛の醸成そして地域からの変革】
本年は第44回東京ブロック大会の主管会員会議所を町田青年会議所が務めさせていただきます。この東京ブロック大会(東京ブロック会員大会)は1971年に第1回の大会が開催されて以降毎年1回、東京ブロック協議会内の会員会議所が主管会員会議所とし、今日まで一度も途切れることなく開催されています。町田青年会議所は第11回、第22回、第33回と11年に一度主管会員会議所を務めており、本年は第44回大会を務めさせて頂けることとなりました。東京ブロック協議会内において主管会員会議所を務めさせて頂くのは最多の4度目となります。確固たる責任と気概を持ち東京ブロック大会の成功へと導いてまいります。

私たちの郷土とは町田市であり東京都でもあり日本国でもあることは言うまでもありません。私たちが安心し笑顔溢れる郷土を永続的に創っていく必要があります。東京ブロック大会は東京ブロック協議会が主催となり開催される大会です。東京ブロック協議会と町田青年会議所(主催と主管)が一致団結し大会を開催することにより町田から首都である東京都、そして日本全国、世界へ向け力強く運動展開してまいります。

そして東京ブロック大会においては町田の魅力を町田市民、東京都民に強く発信し郷土愛を醸成してまいります。町田の魅力を肌で感じて頂き、それを伝播していくことによって地域を愛する人が増え、地域が活性化することは間違いありません。そのためには今一度伝統ある歴史や文化を見つめ直し、地域住民、地域団体と手を取り合い、この地域の魅力を広く発信し感動を生む尊い大会へ挑戦してまいります。

また主管を務める機会は町田青年会議所の会員にとって個人の成長への貴重な機会であり、LOMの活性化、会員拡大を図る最大の機会でもあります。全会員の意識を統一し、真摯にこの最大の機会に向きあい、最大限に活かしてまいります。

【次世代を担う若き力】
昨今、社会問題となっている少子化による親の過保護、子育てに対する育児放棄、目を背けたくなるような虐待等が連日のようにマスコミで取り上げられています。私たち自身が過ごした子供の頃と、現代の子供たちを取り巻く環境は大きく変化しております。パソコン、携帯電話、インターネット等の普及により情報化が進み、コミュニケーションはメールやSNSを使用し、会話が減っております。更には友達と遊んでいてもゲームに没頭している光景を良く目にします。

いつの時代も子供は地域の宝であり次世代を担う希望でもあります。「地域の子供は地域で育てる」 親世代でもある私たち青年は、次世代を担う子供たちの未来を見据えてあげなければなりません。そして私たちは感謝の心やおもいやりと言った日本人としての精神を受け継いできた責任世代として、この精神を子供たちに伝承していかなければいけません。

次世代を担う子供たちに様々な機会を提供し「地域の子供は地域で育てる」ことを私たちが再認識し、伝承していくことで感謝の心溢れる未来の創造につなげてまいります。

【明るい笑顔溢れるまちのために】
西の歌舞伎町とまで言われた町田市は、警察活動拠点の拡充も行われ、近年の犯罪発生件数は10年近く前と比較し半数近くまで減少しました。しかしながら治安が悪いと言うイメージは今も尚、払拭されていないのが現状です。町田青年会議所は2013年度より治安向上事業(まち☆クリ)とし、町田駅近隣における落書きを地域住民と共に消し、市民の意識変革を行うと同時に町田市の悪いイメージを払拭する運動を展開してまいりました。

地域の悪いイメージは地域の活性化の妨げとなることは間違いありません。例えるならば、悪いイメージの地域に移り住むことも、出向くことも、子供だけで遊びに行かせることも避けたくなる要因の一つになります。地域を更に活性化させ、明るい笑顔溢れるまちのため、更に発展した事業構築を行ってまいります。

町田青年会議所は公開討論会やマニフェスト検証会、市民討議会を活発に開催し市民に政治や行政に関心を持って頂く運動を展開してまいりました。しかしながら2014年の町田市長選挙においての投票率は41.3%と市制施行以来、史上最低の投票率となりました。まさに多くの市民が政治、行政そして市政に対し無関心であることが強調されたと考えられます。しかしながらマスメディアに翻弄され自身で確認もしないまま無責任な発言を行政や市政に投げかけている光景を目の当たりにすることが多くあります。

自身が住むまちをより良くしたいと考えることは当然のことです。そのためには「市民が参画する市政」を創っていかなければなりません。まずは多くの市民と様々な意見や問題点を議論し、市民の声を生かした事業展開を構築してまいります。

【市民・地域団体との連携から生まれる絆】
町田青年会議所はまちをより良くするために、行政、地域諸団体の方や市民の方々と連携し運動を展開してきました。この取り組みは市民意識の変革はもとより、協働型社会の実現とそれを支えるコミュニティの再生という点においても、大きな役割を果たしております。近年は互いに協働し事業を構築することにより絆が生まれてきたと感じております。この絆は万一の有事の際、お互いが共に助け合えることは当然のことながら、明るい豊かな社会の実現に向け、協働した事業構築をすることが出来ます。

本年は今まで以上に行政、地域諸団体の方や市民の方々と積極的な対話を通じ、強固なパートナーシップを図ってまいります。連携し協働で事業展開することで、今後の事業構築に反映させるべく取り組んでまいります。

【強い信念を持った会員拡大の実践】
「修練」「奉仕」「友情」の3信条の下、運動を展開する青年会議所の会員は20歳から40歳までの限られた期間で活動しております。町田青年会議所にとって会員の増強は青年会議所運動を展開するための生命線です。お互いが切磋琢磨し様々な運動を展開することで、真のリーダーとなった会員が市民への意識改革をもたらします。かつては100名を超える会員が町田青年会議所に所属していました。しかし近年会員数は、多くの会員が40歳を迎えつつあることなどから一定線を辿っております。

同じ志と様々な価値観を持った同じ世代の青年が多く集うことが青年会議所の活動・運動の原動力となり、組織を活性化させることで運動の発信力も高まります。会員拡大は青年会議所運動の基盤であり必ず成し遂げなければなりません。

町田青年会議所は素晴らしい組織です。私たちは企業や地域のリーダーであるという社会的な責任を自覚し、活動・運動を展開しております。会員が町田青年会議所の魅力を十分に理解し、運動を展開し、伝えていくことがまさに会員拡大の原点であり、全会員が一丸となり、100名を超える強固な組織を創ってまいります。

【強固なる組織のために】
組織を更に進化させるためには、当然だと思っていることや慣例になっていることを検証し、見直し、更なる変化を加えることが必要です。まずは青年会議所を支える要となる組織運営、財務運営をより確実に行うことが重要です。責任と自覚を持ち今一度足元を見つめ直し、会員一人ひとりが青年会議所の在り方を理解し行動できる組織を創ってまいります。

組織をより強固にするためには外にも目を向けることが重要です。私たちは日本青年会議所、関東地区協議会、東京ブロック協議会に出向することや、他の会員会議所との合同事業等を積極的に行うことで、他の会員会議所の会員と本気で磨き合うことが出来ます。そして組織活性に必要な情報を得られます。それを町田青年会議所にフィードバックすることにより、更なる強固な組織が構築されることは間違いありません。またJCIや日本青年会議所等の各種大会に積極的に参加することで多くの学びを得ることが出来ます。他の会員と交流し、新たなる気づきを得ることも出来ます。

青年会議所全ての会員に与えられているこの機会を、地域のために、自身の会社や家庭のために、積極的に掴みに行くことが更なる強固な組織作りのために重要であると考えます。

【町田青年会議所の魅力発信】
町田青年会議所の存在は残念ながらまだ知れ渡っているわけではありません。町田青年会議所の魅力を発信するには広報活動が何よりも重要となります。人の心に残る事は必然と拡がっていくものです。広報活動を見直し、人の心に響く手法を構築することが重要であると考えます。更に進化した広報活動を行い、町田青年会議所を知ってもらう事で組織自体を活性化させることが必要です。会員一人ひとりがJAYCEEとしての誇りを持ち、青年会議所の魅力を伝播するために行動してまいります。

【結びに】
私たちは会社、家族そして仲間の支えがあり青年会議所活動・運動に取り組めております。このことを自覚し、感謝しながら、そして感動を分かち合える同志とともに、混沌とした時代の中、次世代への道を切り開いていきましょう。

その為に、今社会は何を求めているのか果敢に議論し「やりたい」ことではなく「やらなくてはならないこと」を実践していきましょう。今、青年期にこの青年会議所という組織に求められている事は何か、妥協せずに議論を重ね、全会員が一致団結し必死に挑戦し続けてまいります。

町田青年会議所の活動・運動に自信を持ち必死に取り組んだとき、すべてが、広く強い絆で結ばれ、感動を分かち合うことが必ずできます。そして次世代へ向けた道が必然と創造できることは間違いありません。

基本理念

一人ひとりが現実と向き合い、このまちで今必要とされていることを議論し、行動に移すことで明るい豊かな社会の実現を目指し、次世代へつなぐために一致団結し運動を展開する

基本方針
  1. 1.強固な誇りある組織体制の構築
  2. 2.次世代を担い地域の要となる人材の育成
  3. 3.郷土愛の醸成からなるまちの活性化
  4. 4.地域社会との更なる連携・絆の確立
2015年スローガン

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